少し時間がとれたので北九州市立美術館に行きました。平日の朝の美術館はほぼ貸し切り状態。落ち着いて作品を鑑賞できます。今は常設展の他、企画展として上川伸展・園田真理子展もおこなわれていました。
ちなみに設計は磯崎新。地方都市では貴重な、世界的な建築家によるマッチョな建築です。
http://mamedesign.blog.shinobi.jp/%E5%BB%BA%E7%AF%89/%E5%8C%97%E4%B9%9D%E5%B7%9E%E5%B8%82%E7%AB%8B%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8%20%E6%8E%A2%E8%A8%AA北九州市立美術館 探訪
日頃僕が設計するのは住宅建築や商業建築が多いので、基本的に空間に余白を設けることを許されていません。各スペースに具体的な用途が割り振って、その配置が効率的であればあるほど優れた設計だと判断されます。
ですから僕にとって、たまに美術館のような空間的余白の多い場所を体験することは、新鮮で、大事なあたまのリフレッシュとなっています。
ところで美術館以外の建築に対する「美術館のような」という表現は、あまり褒めていないことがほとんどです。フラットすぎて味気ないという批判が言葉の裏に込められています。
でも僕は美術館の、大らかな容れ物のような空間は嫌いではありません。むしろ住宅や店舗をデザインするときにも、隙間を活かした場所の価値というものがあると考えています。高度に機能が設定された空間と曖昧な空間、居心地の良いヒューマンスケールの空間と白くプレーンで緊張感のある空間、その辺の緩急を使い分けた設計ができるようになりたいものです。
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